黒執事 第7話『その執事、遊興』感想〜バスカビル家の犬+嵐が丘…ですね〜豆知識付き

嫌な予感はしてたんだ…黒執事第7話『その執事、遊興』の感想です。
魔犬(リンを塗った犬)、ムーア(荒野)、犬を使ったトリック、横暴な当主…今回はコナン・ドイル作「シャーロック・ホームズ」シリーズの長編のひとつ、『バスカヴィル家の犬』(1901)が下敷きになっている。



今回当主として登場するヘンリー・バリモアは、バスカヴィル家の当主ヘンリーと執事バリモアの名をくっつけたもの。



…が、それだけならまだしも、エミリー・ブロンテ作『嵐が丘』(1847)もミックスしているようだ。



今回の舞台、ハウンズワース(Houndsworth)は、嵐が丘の舞台のモデルとなったハワース(Haworth)(作者エミリー・ブロンテの生家のあった場所)のもじりHilltopではないかと…。



ハウンズワースにある湖を臨む遠景は、ハワースの近くのペニンストンヒルの景色にそっくりです。まあ、こんな景色はイギリスのあちこちにありそうですが。



今週が『バスカヴィル家の犬』ネタ中心だったので、次回は『嵐が丘』ネタも入ってくるのではないかと予想。



でも、いまいちネタが消化不良というか…面白くなかったのですが…。



やっぱり、オリジナルは結構しんどいかも…と思いました。



もっと、思いっきり推理探偵ごっこしてくれれば、よかったかも。



話が見え過ぎです。







「だから、犬は嫌いなんです。」



普段、一応、忠犬キャラを演じているセバスチャンが言うと、なんだかとっても皮肉たっぷりに聞こえるんですが…もう少しニュアンスが違うようにした方が深みのある台詞になった気もします。



それにしても、なんだか、すっきりしないなぁ。



フィニの過去話もどうなるのか?(まさか、あれだけ?)



一応、ミステリー仕立て(?)なので、あらすじを簡略化。



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女王の指令により、シエルは使用人たちを連れて、違法な“犬いじめ”をしている村、ハウンズワースを女王の保養地として買収しに行く。



シエルがわざわざ赴くのは、ここ10年、不審な死に方で村の人口が1/3にも減っているためだ。「魔犬」のせいとされている事件の真相を調査するのが、今回の任務だ。



丘の上の館には、土地の有力者(?)ヘンリー・バリモアと美人メイドのアンジェラが住んでいた。



シエル一行は当然ながらバリモア邸に宿泊。



夜も更けて、しきりと村を出るように勧めるアンジェラ。



…と、その時、魔犬が現わる!



大騒ぎになる村。村の掟を破っていたジェームズが無惨な姿で発見される。



しかし、すでにトリックを見破っていたシエルとセバスチャン。



翌日、一悶着あったのち、シエルにより村人にトリックが明かされ、犯人は捕らえられた。



その夜…雨の中、屋敷の外に潜む何者かを見つめるアンジェラ。



ジェームズ殺害の犯人は、殺されて、犬いじめの場所に打ち捨てられていた。



次回、本当の魔犬の正体とは!



『その執事、調教』



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なにか、屋敷のまわりをうろついてる、何も着てないらしい怪しい人影(ほとんど変質者みたいになってますが…(;´д`)トホホ…)がどうやらアンジェラと関係ありそうです。



『バスカヴィル家の犬』ネタでも『嵐が丘』ネタでも、犯人はろくな目にあわないこと、請け合いでしょう…。



まあ、『嵐が丘』は地名と風景だけかもしれませんが…。
ハワースは有名なので、資料に使ったのかもしれません。
Topwithens1
これが、『嵐が丘』(Wuthering Hights)のモデル、トップウィズンズ(Top Withens)の廃墟。
雰囲気似てます…。



(すいません、上の写真2枚、拝借しました画像元はこちらです。)



『バスカヴィル家の犬』の舞台、デボン州ダートムーアからは、南と北で結構離れてるんですが…。
ダートムーアは沼地にもなっているので、物語にそのへんもからんでくるのですが、黒執事ではどうするか…一応、楽しみにしておきます。



参考記事:嵐が丘wikiバスカヴィル家の犬wikiブログ“Meeting Differnt Cultures”





★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜



それでは、



イギリス・ちぇ〜っくコーナー



(豆知識)





犬いじめ



フィクション(調べた限りは出てこない)。



対して「熊いじめ」や  「牛いじめ」は史実。



使用された犬種はブルテリアマスティフ



ハウンズワースは狩猟犬の育成で有名という設定だが、狩猟犬にはレトリバーばかりではなく、イングリッシュポインターテリアなどもっといろんな犬種があるので、ちょっと今回は絵的にリアルさに欠けるように思う。一応、時代考証の人も置いてるんだから(メイドや執事専門の人のようだけどね)。



1822年のマーティン法で「牛いじめ」が禁止、1835年「熊いじめ」が禁止されています。



禁止された理由は、残虐だからではなく、(清教徒的発想で)享楽的だから禁じるというのが出発点だったそうな…。



犬VS犬の犬いじめ…あまりにイギリスの国民性からかけ離れているので、ありえないと思う。闘犬と犬いじめでは訳が違う。直接、人間が犬や猫をいじめるのも今回のとは違う。それに村ぐるみっていうのは、ないんじゃないかな。



イギリスでは、犬は狩猟犬や牧羊犬として、パートナーとして大切にされてきました。今でも、それは変わりません。



参考:動物の権利に関する年表闘熊wikiワールドドッグ図鑑





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