黒執事 第6話『その執事、葬送』感想〜シェイクスピアはお好き?今度はドメスティック(家庭的)走馬灯!?〜豆知識つき
前回から引き続き、グレルVSセバスチャンで始まった黒執事 第6話『その執事、葬送』の感想です。
長い冒頭シーン、OPに入る直前…田中さんの一声。
“ほっ♪”
で吹きました(笑)。
(原作読んでるから、分かってはいたのですが…)
この存在感(≧∇≦)!
一声主(ひとこえぬし)と呼ばせていただきます。
グレルとセバスチャンによりたっぷりと、W.シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』(主に第2幕第2場)の名台詞が散りばめられた冒頭部分。
とても、戦闘シーンとは思えない会話ですが、シェイクスピアの台詞のおかげで、下世話な感じが薄れて、美しくまとまったかなあ…と。
「ああ、セバスちゃん♡どうして貴方はセバスちゃんなの?」(グレル)
(“O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?”)
に始まって、
「それでは、幾千にも、幾万にも、ごきげんよう♪」(グレル)
(“A thousand times good night!”)
まで、セバスチャンの台詞も含め、ほとんどが『ロミオとジュリエット』の台詞そのままか、ちょっとしたもじり…という凝りよう…(多少、台詞の順番はいじってあるみたいですが。他の幕の台詞も混ざってますし)。
セバスチャン、鳥肌たってた割にちゃっかり一緒に遊んでるじゃないですか┐(´-`)┌
さて、ざっとあらすじ
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
セバスチャンとグレルの戦闘は、セバスチャンがヨークシャー産上質ウールの燕尾服をデスサイズ(チェーンソー)にかまして、無効化してしまったことで、あっけなく決着。
グレル(特に顔)をボッコボコにした後、デスサイズでトドメを刺そうとするセバスチャン!
グレルは、命乞いに、シエルの両親を殺した犯人を漏らそうとするが…
あわや…という瞬間、伸びる高枝切り鋏!!
ちゃんと三段階伸縮(笑)細かい!!!
それは、死神派遣協会管理課のウィリアム・T・スピアーズだった。
彼は、グレルが死神として、3つの規定違反をしていることを告げる。
・死亡者リストにない者の殺害
・使用許可申請書を提出していないデスサイズの使用
・死亡後の死者とその殺害者に関する情報漏洩未遂
死神たちが去った後、そこには、冷たく憔悴したシエルが残された。
セバスチャンの差し出す手を振り払い、一人立つシエル…
その脆さと強さ。
後日、マダム・レッドの葬儀。
葬儀には禁忌の、でもマダムが大好きだった「赤」…
紅いドレス、赤いバラ…赤く、美しく彼女の死出の旅路を彩るシエル。
「おやすみ、マダム・レッド…」
“女王の番犬”シエルの取り計らいにより、犯人の名は伏せられ、事件は闇に葬られた。
闇の深みに嵌りゆくシエルを楽しむかのような、劉。
“Jack the Ripper”最後の犠牲者、メアリー・ジェーン・ケリーの墓を“葬儀屋”に立てさせたシエル。
不吉な言葉を残しつつも、「そんなのはつまらないからね」と言い捨てて去る“葬儀屋”。
皆が去った後、なぜ、マダム・レッドに殺されそうになった時、隠し持った拳銃を使わなかったのか、シエルを揶揄するセバスチャン。
「お前の仕事だからだ。」と、一蹴するシエル。
すべて、わかった上で、したことだと言うのか…。
「だから、僕は迷わない。」
その言葉にしびれるセバスチャン。
そして、繰り返される、あの言葉。
「お前だけは、僕を裏切るな。僕の傍を離れるな…絶対に。」
「御意。」
...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。
ドメスティック(家庭的)な走馬灯の扱いがめちゃくちゃ軽くて可笑しかったです。
…でもって、「ここから先は有料です♡」(セバスチャン)
好きなんですよね〜、この台詞(笑)。
ウィリアムの中の人が、どっかのクインシー…じゃない、杉山さん!?
ほんと、このアニメ、中の人が豪華デス。
(でも、もっと弾けないと、目立ちませんよ!?福山さんもスゴかったですが、諏訪部さんが、やはり突出しすぎです[E:shine])
全体としては、前回より、微妙にテンポが悪かったような気が…。
テンポとタイミングの良さは『黒執事』には重要な要素なので、もうちょっと頑張って欲しいです。
『リアル田中』さん、3ヶ月に一度じゃなかったんですか!?
「愛する方達のもとへ逝かれたのですね…」(リアル田中)
いや、それはどうだろう…?
ファントムハイヴ家に先代から仕える彼は裏の家業も知ってるはず…。
とても全員天国とは思えない…(それとも、全員、地獄!?)。
まあ、事情を知った上での田中さんの“そうあって欲しい”という願いか…。
原作にはない、シエルの両親の死の真相に触れる台詞。
アニメでは、そのあたりの所はやるのでしょうか!?
気になります…。
次回、「その執事、遊興」。
初のオリジナルですか…ちょっと心配です[E:sweat02]
。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚
さて、ちょっと疲れてきたけど、もはや恒例。
イギリス・ちぇ〜っく!
(豆知識コーナー)
『ロミオとジュリエット』
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare:1564〜1616、もちろんイギリス人)によって1595年頃、書かれた劇。
『黒執事』の舞台は19世紀末なので、そこから300年程前の作品ということになる。
シェイクスピアは、今でももちろん有名であるが、当時のエリザベス朝でも超人気天才劇作家にして詩人だった。
彼の作品は、いわば “月9ドラマ”のような感覚で広く一般市民に浸透していたと思われる(それが、後世に残るほどの芸術性を兼ね備えているところが、スゴいのだが)。
『ロミオとジュリエット』は、主役二人の崇高で格調高い恋の表現と“乳母”などのお笑いキャラによる卑猥な台詞のギャップがうまく絡み合う作品で、娯楽作品として十分な人気を博していたと考えられる。
Beautiful tyrant! fiend angelical!
Dove-feather'd raven! wolvish-ravening lamb!
(美しい暴君!天使のような悪魔!鳩の羽をした烏!狼のように貪欲な子羊!)
上の方でも説明したが、この台詞も、もちろん『ロミオとジュリエット』からの抜粋だ。ただし、この台詞は3幕2場から(ちなみに「卑しい手と唇が…」のくだりは、1幕5場から)。
従兄弟のティボルトがロミオに殺された、と乳母から聞いたジュリエットが思わず口にする呪いのことばである。
反対の意味をくっつけて並べるのは、oxymoron(オキシモロン)という逆説的表現方法のひとつだそうだ。
シェイクスピアはこういう逆説的表現が巧い。同様の名台詞は星の数である。
『黒執事』になぜかぴったりフィットしてしまった(笑)
《オキシモロンの例》
Fairis foul, and foul is fair(「きれいは穢い、穢いはきれい」『マクベス』より)。
参考文献;シェイクスピアwiki、シェイクスピア作品解説、
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