続夏目友人帳 第10話『仮家』感想〜滋さんの想い〜
すっかり遅くなってしまいましたが、続夏目友人帳 第10話『仮家』感想です。 滋さんとレイコさんの昔話と絡めて、現在の滋さんと夏目の話が進行していく今回。 ラストで夏目がカリメを追い出して、部屋がめちゃくちゃになってしまった時、滋さんは、きっと夏目のやったことと、レイコさんのしたことが同じ、つまり二人が家を守ってくれたことに気づいている。 そして、かつて自分がレイコさんをかばって家族に嘘をついたように、夏目が嘘を付いたことも知っているに違いない。 分かっているから、追求しない。 「ここは、君の家だと、言っただろ?」 この言葉の本当の意味を、多分夏目はまだ分かっていないのではないだろうか。 普通、ただの居候に何度もこんな風には言いはしない。 滋さんと塔子さんには子供がいない。 滋さんも、塔子さんも、単なる親切ではなく(もちろん親切な人たちではあるが)、 「もし、よかったらうちの子になってみないか」というメッセージをずっと送りつづけているようにしか見えないのだ。 塔子さんは、一生懸命ごはんやおやつを用意してみたり、“家族で”使う器を買いにおつかいに出してみたりして、一生懸命、普通の母親ってこんなのかしら?と母親になろうとしている。 滋さんも、たまに早退して“息子と帰る父親”をやってみたり…。 本当に二人とも涙ぐましいまでに親になろうと、手探りであれこれやってみている。 リアルに親である自分から見ると、一所懸命“親ごっこ”をしているように見えてしまう二人が実に微笑ましい。 本気で二人は夏目を引き取るつもりなのだ。 なのに、夏目はさっぱり気づかない。 やっと滋さんと塔子さんが守るべき人で、この家が自分の居場所であると思えてきたが、まだ居候であるという気持ちはそのままだ。 ニャンコ先生は、もちろんその辺のことをちゃ〜んと分かっている(だから、滋さんや塔子さんと夏目のやりとりをじっと見つめている)。 もし、夏目が本当に滋さんや塔子さんに心を開いて満たされる時が来れば、それは妖かしとの別れの時かもしれない(心の隙に妖かしは引き寄せられると、ニャンコ先生が以前言っていた)。 いつか自分と夏目に訪れる、別れの時を予感しつつ、今を一番大切にしたいのは、実はニャンコ先生かもしれない。 (あらすじ) 滋さんと一緒に学校から帰った夏目は、家の門に妙な落書きを見つける。 滋さんもその落書きに見覚...
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