源氏物語千年紀Genji 1話『光る君』+2話『六条』考察的感想〜テーマは水!?〜
週遅れの放送エリアに在住なもので(泣)…「あさきゆめみし」の原作蹴ったくせにパクったらあかんやろ…と思いつつ、源氏物語千年紀Genji 1話『光る君』+2話『六条』の感想です。
【モチーフは水】
まず、1話の梅を取り損ね溺れる、出崎版オリジナル・エピソードですが…。これは、届かぬ池の中央の梅(=藤壷への禁じられた恋)をとろうとして、水に落ちて溺れ(=恋と愛欲に溺れ)、熱を出す(=身を焦がす&滅ぼす)という風に解釈しました。
2話の六条御息所の入浴シーンでも、熱い湯=恋に焦がれる熱さ、頭まで水に浸かって叫ぶ=愛に激しく溺れる…というわけで。
水を男女の愛欲、愛憎…そういったものとして位置づけしているようだ。
ここまでしつこくするなら、多分全編を通して使用するイメージなんじゃないだろうか。
【キャラごとのモチーフ】
女性メインキャラには、キャラごとにモチーフを設定している。
藤壷:花、華。特に源氏との初恋イメージは桜。着物は名前のとおり藤のイメージで紫。
六条御息所:蝶。現世とあの世を結ぶ昆虫というイメージも絡ませている(生霊になったり怨霊になったり…ということで)。
桐壺の女御:文字通り、桐の花。ちょっとしか登場していないが、白っぽい淡い紫色の花なので、装束も白系。亡き人だから白というのも…。
葵の上:葵だから緑の装束…というちょっと可哀想なキャラ。扱いが悪いのは、出崎監督の中では、好みじゃない可愛くない女だから?(葵の上は古今男性からの人気が低いらしい。)今風に言うと単なるツンデレキャラなのになぁ…。平安朝で、すでにツンデレキャラを設定する紫式部、おそるべし。
【感想】
デザインは…ちょっと異議あり。監督の思い入れの薄いキャラがイマイチになる傾向?何度も観たいと思わせる絵じゃないのは確か。それなりに美しくは描けてるけどね。
光る君、源氏は…まあ、こんなもんか…という気もするが、六条御息所に通い始めたのが17歳なので、ちょっと老成しすぎてないか?もっと若々しくてもいいような。これ、どう見ても20代後半だろ。
頭の中将のイメージが、違う、ちが〜う!!!
おおもとの「原作」、源氏物語の中でも、頑固で、お調子者で、明るくて、快活で、女性に人気で、位も高く、血筋も良く、源氏のライバルにしてなんでもずけずけ言える親友で、一緒に馬鹿ばっかやってる悪友でもあるのに!!
がっかりだわ il||li _| ̄|○ il||li。
源氏とよそよそしくなるのは、もっとオジサンになって、政治が絡んできてからなのに…。
藤壷は内面の描写が浅過ぎて、なぜ源氏に惹かれるのかが、不明だし…。
葵も内面がさっぱり描けてない。
唯一、六条は、イメージに近い。…が!!!出会いの馴れ初めから関係を結ぶまでのエピソードは「原作」にはなかったと思うぞ!?
「あさきゆめみし」にはあるけどね!!紙を見せて、手を掴み、事に及ぶというのは、まんま「あさきゆめみし」のパクリ。
原作蹴っておいて、パクったらいかんやろ!
2話だから、間に合わなかった?原作者にも了解とってるのかな?
にしても、常識を疑う行為だね。
結局、出崎監督、実は源氏物語ちゃんと読んでなかったりして…。
男性の視点の物語にすっかり作り変えてしまったし…。
あくまで、女性の視点から描かれた物語の特性がなくなってしまうんですが…。
藤壷は源氏にとって、母であり姉であり、初恋の人であり、禁断の恋人であり、偽りを共有する共犯者で協力者であるのだが、のっけから思いっきり否定してたし…。
女君達を活き活きと描き、
最後は男ってバカよね!
…というのが原作だから普遍的なんですが(…男性諸氏の皆様、ゴメンナサイ)。
『あさきゆめみし』全巻と瀬戸内寂聴版の『源氏物語』は半分まで読んで、どっちも面白かったけど…出崎版は薄っぺらすぎて好きになれそうにはないなぁ…。
ま、ネタとして最後まで視聴はするかも。
感想は最終回だけ書くかも。
なんでもいいから、平安朝の時代考証もうちょっとしっかりした方がいいんじゃないか?
入浴の仕方もおかしいし、夜風呂には寒いから入らないし、シャンプーなんて、天気の良い吉日に半日がかりでするんですが!?
中は袴を履いてるのに、夜の描写ではさっぱり出てこないし…ありえん!
短歌を使った文のやりとりもないし…。
デタラメにやりたいなら、江戸時代とか、パラレル平安京ちっく、はたまた現代に置き換えちゃうとかすれば良かったのに。
六条の屋敷も、六条にあるのに、あそこまで田舎か?
OPもなぁ…琴のインストルメンタルとかにすれば、まだよかったのに。
パフィはEDにしてお茶を濁しておけば、まだよかったかも!?
出崎監督、65歳(だっけ?)…老いた妄執が描く源氏物語がどうなるか、一応見届けようとは思う。
↓その通り!と思ったら、ぽちっとよろしく♪
あさきゆめみし(全7巻)セット |
コメント
コメントを投稿
当ブログのコメント欄は承認制です。管理人が承認後に表示されます。